木造設計で構造の手戻りを防ぐコツ

プランニングがとてもキレイに納まっていても、構造的に無理が生じて見た目以上に難易度が高い架構形式になっていることがあります。
構造設計者としてはそこを何とかするのが腕の見せ所なのですが、限られた予算の中では、プランも構造も無理なく成立している状態を目指すのが良さそうです。

とはいえ、初めから構造のことを意識しすぎていては、プランニングにも気を使ってしまいますよね。

ここでは、プランニングの初期に頭の片隅で少し気にしておくだけで、そのあとの構造の手戻りが劇的に削減される3つのコツをご紹介します。

耐力壁は少し多めに想定しておく

耐力壁はプランニングの邪魔になることが多くできれば少なくしたいもの。
しかし、計算上の耐力壁は重量と形状で必要な枚数が決定されます。それは法律上で定められた枚数なので、
構造設計者によって必要な耐力壁枚数が少なくなるということはありません。

プランが決まってから耐力壁を増やすのは難しいですが削減するのは簡単ですよね。
経験上の枚数より1.1倍ほど多く見ておけば、あとからの調整で削減することもラクラクです。
少し多めに想定してあとから楽して調整するものありですよね!

リビングの天井には大きな梁が入ると想定しておく

平屋、2階建、3階建のどれをとっても、リビングは広いスペースを必要とすることが多いです。
特に2階建ての1階や3階建ての1階では、上階の柱や間仕切り壁、耐力壁の重量を負担することがほとんどです。
スパンが大きく、上階に重いものがある、という条件のためほぼ例外なくリビング上部には梁成300以上の梁が少なくとも1本以上使用することになります。

そのため、リビングの上部には大きな梁が必要である、ということを念頭に断面計画を行うと手戻りも少なくなります。

1間以上の大きな吹抜けには火打ちが入ると想定しておく

リビングの上部やダイニングの上部には吹抜けを設けて広々した空間を確保したいものです。
でもそんなときに注意したいのは、水平構面(すいへいこうめん)という考え方です。
あまり知られていませんが、木造には耐力壁が必要と同じくらい実は床面の強度もとても大事です。

床面がないところは構造的な弱点となってしまいます。それを補強してくれるのが火打ちです。
火打ちなしでも吹抜けの周りにたくさんの床面があれば問題ありませんが、計画初期段階ではそこまでの配慮は難しいです。
計画初期段階で吹抜けを設ける時は火打ちが入ると想定し、構造計算によって火打ちの有無を検討する方が手戻りを削減することができます。